【概要】
北海道大学大学院工学院と九州大学大学院工学府は、令和4年(2022年)4月に18社の民間企業及び6つの公的機関と連携して「資源系教育コンソーシアム」を設立しました。
北海道大学大学院工学院と九州大学大学院工学府は、2017年度に日本初の資源工学に関する共同教育課程(共同資源工学専攻、修士課程)を開設し、資源国からの留学生と日本人学生の協働教育をベースにして「鉱物資源の安定供給・確保の中核を担うエキスパート」の育成に努めてきました。そして、新たなフェーズの取り組みとして、18社の民間企業及び6つの公的機関をメンバーに迎えた教育コンソーシアムを設立し、資源系人材育成のための教育システムの更なる強化および発展を目指しています。
【プロジェクト開始に至った経緯】
電気自動車のバッテリーに利用するリチウムなどのレアメタル資源の確保、地熱発電や二酸化炭素貯留などの地下利用技術、都市鉱山(資源リサイクリング)など、カーボンニュートラル社会を構築し、将来にわたって持続的に社会を発展させるためには、資源に関わる新たなシステムの構築や新規技術の開発に携わる専門知識と創造性を兼ね備えた人材が不可欠です。
北海道大学大学院工学院と九州大学大学院工学府は、このような資源系人材育成の拠点を構築するため、2015年から「持続的資源系人材育成プログラム(文科省特別経費)」をスタートさせ、2017年度には日本初の資源工学教育に関する共同教育課程(共同資源工学専攻、修士課程)を設立しました。共同資源工学専攻は、日本と資源国の強力な人的ネットワークを構築することを目指して、資源国の大学教員や行政官を留学生として積極的に受け入れて日本人学生との協働教育を実施するとともに、学生の海外インターンシップ派遣、海外大学からの招聘教員による講義などを実施して、高度な専門性と国際性を兼ね備えた資源系人材の育成に努めてきました。
令和4年(2022年)4月、両校は、資源系人材育成プログラムのさらなる充実と発展を目指して、資源関連の民間企業18社や6つの公的機関をメンバーに迎えた「資源系教育コンソーシアム」を発足させることにしました。
【内容・意義】
本コンソーシアムは、我が国の資源系人材育成のための教育システムを強化・充実させることを目的としており、学生の海外派遣や企業インターンシップ支援、企業からの専門家を迎えた講義の実施等、資源工学分野における新たなキャリア・リカレント教育システムの構築を行い、資源に関する情報共有・アップデートのためのワークショップ・シンポジウム等を随時開催して、関連企業と大学スタッフとの交流強化を図っています。
参画企業には資源関連企業のみならず、建設関連企業、商業・貿易関連企業及び情報通信関連企業などが名を連ねており、これらの企業群は学生の潜在的な就職先ともなっています。
産官学の協力体制の下、社会が求める高度な専門性と国際性を兼ね備えた資源系人材の持続的育成のためのサポートシステムを引き続き構築していきます。